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#12_超高速テレインの個人戦、猪俣・森谷が制す – 2016年度インカレミドル

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3月18日、滋賀県高島市の『マロンガーデン マキノ~多くの栗の木の下で~』を舞台に2016年度日本学生オリエンテーリング選手権大会ミドル・ディスタンス競技部門(以下、インカレミドル)が開催され、男子選手権は猪俣祐貴(東京大学4年)、女子選手権は森谷風香(千葉大学2年)が制した。

 

インカレミドルのコースプロフィールは毎年要項3で公開されるが、今年のプロフィールはここ数年の中でも非常にインパクトのあるものであった。

 男子選手権:5.8km↑75m(優勝設定35分)
 女子選手権:4.6km↑70m(優勝設定35分)

驚くべきはその登距離の少なさである。少なくとも2008年度で予選決勝方式が廃止されて以降のインカレミドルで、登距離2桁・アップ率2%未満のコースは初めてとなる。エントリー前の要項2の時点で「超高速レースに耐えうるスピードとスタミナが要求される」との記載があったものの、その「超高速」たる数値は、選手に驚きをもって迎えられた。 

選手権の部の競技が始まり、中間通過情報が続々と会場に入る。選手にとってはなじみの薄い超高速テレインであるが、中間通過情報によれば、上位層は運営の優勝設定時間通りのレース展開を見せており、大荒れという展開は感じさせなかった。そんななか、男子選手権は田中大樹(一橋大学4年)が39:41、女子選手権は中村茉菜(早稲田大学4年)が40:25のタイムでトップフィニッシュを果たす。序盤にフィニッシュした選手からは「直進を多くさせられて辛かった」「高速ナビゲーションが要求されて、休む暇がなかった」「テレイン内の積雪で足がもっていかれてきつかった」などの声が聞かれた。テレイン内の積雪はいたるところで見られており、下草よりも手ごわい印象を持った選手も多いようだった。

女子選手権 中盤以降のレース展開

女子選手権は、中村の記録を他選手はなかなか塗り替えることができない。しかし、中盤になって森谷がついに優勝タイムを更新した。その後、山森汐莉(金沢大学2年)が第1中間通過トップタイムを1分更新し優勝を狙えるかに思われたが、第2中間では3位に後退し、最終的に森谷が優勝、山森は中村と同着で準優勝となった。また、最終的に入賞には届かなかったが、香取菜穂(千葉大学2年)、田中圭武蔵野大学4年)、増田七彩(東京大学4年)の3人がそろって43:42のタイムで同着7位の記録となっており、会場を驚かせた。

優勝した森谷にレース内容についてインタビューしたところ「(要項3で)距離・アップが公開されたときは直進が多いコースだと思っていたが、最初は関西っぽいごつごつしたエリアから始まったので、まずはナビゲーションをしっかりこなすことを心掛けた。見通しのよい平坦なエリアに入ってからは、コンパスをしっかり振ってルックアップ、特徴的なものをしっかりとらえながら走った」ということで、エリアに応じて基本をしっかり抑えて走ったようだった。また、自身の優勝については「(次年度の)選手権の部の枠を確保できるのを目標にしていたが、まさかここまでやれるとは…」ということで、本人も驚く優勝となった。しかしながら、千葉大学女子のインカレ個人戦での優勝は1982年度のロング優勝以来34年ぶりのことであり、ミドルでは初優勝である。森谷は千葉大学の歴史に大きな記録を刻み込んだ。今後の活躍にも期待したい。

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優勝が決まった森谷の胴上げ

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男子選手権 中盤以降のレース展開

男子選手権は、高野兼也(新潟大学3年)が36:23で優勝タイムを更新、さらに、渡邊壮(金沢大学3年)が35:43でさらに優勝タイムを更新した。この頃、菅野柊斗(新潟大学4年)も3位相当のタイムとなっており、北信越学連勢が3位まで独占する状況となっていた。高野や菅野のタイムは更新されたが、暫定1位の渡邊のタイムはなかなか更新されない。後半のシード選手勢の出走時間帯になって、今年度ロング準優勝の猪俣が第1中間、第2中間通過のトップタイムを立て続けに更新していく。猪俣は第3中間~会場の間で細かいミスをしたということだが、そのままトップを維持してフィニッシュ。ついに優勝タイムを更新し、以後記録は破られず、猪俣の優勝が決まった。渡邊は猪俣以外にはタイムを更新されず、準優勝が確定した。

また、前中脩人(東京大学4年)、小林隆嗣(東北大学3年)の2人が第1中間までは大きく苦戦し2桁まで順位を落としていたが、中盤から追い上げを見せ、最終的に3位・4位に入賞した。

優勝した猪俣にインタビューしたところ、まずレース運びについては「スタート位置が高い位置にあったので、コースの途中から平らに切り替わることが想定され、急と平らの切り替えをしっかりこなすことが必要」とあらかじめ考えていたそうだ。レースに入ってからは「前半は地形がはっきりしていて自分の得意なタイプだったので、そこでリズムをうまくつかむことができた。後半は、平坦なBヤブの中にあるコブへのアタックなど、直進が要求される個所が多かったが、丁寧にこなして対応できた」という。

実力者で知られる猪俣であるが、実はミドルの選手権は初出場だったという。優勝については「ロングの悔しさがあったので、個人競技の集大成を見せることができてよかった」と話した。

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明日3月19日はリレー競技が開催される。各大学の意地がぶつかり合う一戦。どんなレースがみられるだろうか。雪が残るマキノの地だが、会場の熱気はますます熱くなることだろう。
明日の熱闘にも期待したい。

 

▼2016年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 ミドル・ディスタンス、リレー競技部門
http://www.orienteering.com/~ic2016/

▼成績速報(Lap Center)
http://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=3881

▼IC2016 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3IBB1W1mZgQ

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