OK-Info

2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

#33_ヤツらが「大会」運営に乗り出した! – 第5回留年大会:第1部(スプリント、ダウンヒルミドル)

f:id:colorfulleg:20170715173011j:plain


7月15日、山形県山形市西蔵王公園周辺を舞台に「第5回留年大会」が始まった。初日はスプリント、ダウンヒルミドル、ナイトO、2日目はウルトラロングと計4種目が開催され、各自が選択した「人生モード」の難易度に則ったコースで競う。
本記事ではスプリント、ダウンヒルミドルの2種目の結果を記載する。

 

広がってしまう、留年の輪

留年生オリエンティアによる練習会…留年練習会は、2013年の7月からこれまで4回ほど開催されており、「ダブる」クラスの長距離コースや、「浪人」「院死」「中退」「辞職」といった様々な人生イベントを模したコースの提供などで、学生やコアなファンから人気を集めてきた。そして第5回となる今回、彼らは何を間違ったのか、練習会を「大会」にグレードアップさせ、しかもその開催地と実行委員長をルーレットで決めるという暴挙に出た(参考:#10_広げよう、留年の輪 - 第四回留年練習会)。
かくして開催となった第5回留年大会(二日間大会)だが、住んでいる場所も所属も年齢もばらばらにもかかわらずこれだけのイベントを作り上げる勢い、気概たるや凄まじいものである。そんな彼らに同調してしまったのか、今回はいつもの留年練習会以上の参加者が集った。例によって開催時期は大学のテスト期間にもかかわらずである。「仲間」を増やそうという留年生たちの野望も実現しそうな様相である。

 

f:id:colorfulleg:20170715064617j:plain

ついに「大会」運営に乗り出した運営者たち

 

なお、今大会の舞台となる西蔵王公園一帯は、かつて大人気のシリーズ大会であった「さくらんぼ大会」が多く開催された場所であり、「さくらんぼ大会」をよく知る者からは、西蔵王を懐かしむ声と、一方で、夏場における西蔵王のヤブのひどさを想定して覚悟を決める声も聞かれた…。

 

スプリントの上位クラスは残念ながら幻の記録に

第5回留年大会では、様々な「人生モード」のカテゴリが設けられ、それにより各競技の参加クラスが決定される。中でも「人生ベリーハードモード」は全競技で最長クラス…特に2日目に14.5 kmのウルトラロングを走ることになる、まさにベリーハードなクラスである。
本大会の開幕となるスプリント競技は『西蔵王公園冒険広場』で開催された。公園の名はついているが、植生が大変発達しており、高低差も大きいテレインである。その中で、コースプランナーの宮西優太郎の手によりルートチョイスがふんだんに設けられたコースが提供された。
さて、本大会は各競技の合計タイムで成績をつけるルールであるが、残念ながらスプリントの上位クラス<浪人>は、コース途中の4番コントロール付近で蜂が出没し、参加者が刺されるという事態も発生した。途中で4番コントロールは閉鎖されたため、<浪人>クラスを含む「人生モード」では総合成績からスプリントの成績を除外する措置が取られることとなった。スプリント成績除外対象となる「人生モード」は以下の3つとなる。 

【総合成績からスプリント成績を除外する「人生モード」】
・人生ベリーハードモード
・人生ハードモード
・人生セミハードモード

 

<浪人>クラスは幻の結果となってしまったが、その上位陣では激戦が繰り広げられていた。最終盤の9番コントロールまでは伊藤樹が1位だったが、最終コントロールである10番コントロールで橘孝祐が逆転し、6秒差で勝利を収めた。橘と伊藤のルートは多くの箇所で分かれており、ルート図からもそれが読み取れる。幻の1位となった橘は、コースについてまずは「しんどいです」というシンプルな感想。ルートチョイスについては「(左右に)ルートチョイスがあるように見せかけて、実はまっすぐ行くのが速い」と思った箇所は何回かあったそうだ。続いて、幻の2位となった伊藤は、コースについて「留年大会らしいコースだったのではないだろうか」となんとも意味深な言葉を残した。
登坂力を問うコースになったことについて、コースプランナーの宮西は「仕方なかった」ということであった。おそらく、テレインの特性上ということだろう。

f:id:colorfulleg:20170716072845j:plain

 スプリント<浪人>クラスのウィナーズルート
 

爽やかなダウンヒルミドルとは何だったのか

続いて第2の競技、ダウンヒルミドルが行われた。テレインは『西蔵王』…先のスプリントが行われた『西蔵王公園冒険広場』を含んだ広大なテレインである。そして、夏場は植生がよく発達したテレインでもある。
ダウンヒル」 の名の通り、最長クラス<留年>のコースプロフィールは「登距離0m?」という触れ込みがなされていたが、最後の「?」が大変気になる点であるし、また、プログラムには「登距離については諸説あります」という、何処となく怪しさを感じる記述も見られた。
コースについては「爽やか」という記述もあったような気がしたが、競技が始まってみれば、やはり凶悪化した植生に苦しむ選手が続出した。レース中の参加者は思ったことだろう、「爽やかとは何だったのか」と。なお、レース後にコースプランナーの宮西に聞いたところ「(試走を行った)ゴールデンウィーク時点では爽やかだった」ということであった。この時期の植生の成長具合はやはり凄まじい。なお、最終盤の公園を駆け降りるゾーンについては、この季節であっても爽やかだったということを一応付け加えておく。
ダウンヒルミドル最長の<留年>クラスは、細川知希が唯一30分を切る快走で制した。細川は「結構まっすぐ進める箇所や道から近いコントロールが多く、難易度がめちゃくちゃ高いわけではなさそうだったので、走れるところはがんばってスピードを出すことを意識した」と話していた。また「ほとんどミスはなかったと思うがラップを見ると10%くらいのミス率があったので、おそらく細かいところで止まったりして(ミスタイムになって)いるんだと思う」ということであった。

 

f:id:colorfulleg:20170716135927j:plain

 ダウンヒルミドル<留年>クラスのウィナーズルート

 

コースプランナーの宮西によれば、今回のコースのコンセプトは「アップが0 mとなる中で最も長く組めるコースを組んだ」ということであった。一部の運営者からは「今日のコースは明日に比べればまともだと思います」という声も聞かれた。恐ろしいことである。明日、ウルトラロングに挑む参加者に、改めて敬意を表したい。

 

第5回留年大会はまだ始まったばかり。
この後、ナイトO、そしてウルトラロングが参加者を待ちうけている。
各参加者も十分承知のことと思うが、暑い中での激しい競技となるので水分補給、怪我には十分に注意し、無事にこの大会を楽しみつつ完走したいところだ。

 

▼第5回留年大会 - Japan-O-entrY
https://japan-o-entry.com/event/view/50

 
▼スプリント成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4068

ダウンヒルミドル成績速報(Lap Center)

https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4069

 

 [Writeryi+]