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#41_台風一過で個人戦と団体戦が同日開催! - 第31回インターハイ

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第31回全日本高等学校・中学校オリエンテーリング選手権大会が、静岡県富士市の『丸火自然公園』で9月18日に行われた。個人戦ではMEクラスで折橋旺(麻布高校)が、JMEクラスは藤原孝太郎(東海中学校)が、JWEクラスは落合英那(滝中学校)が制した。また、直後に行われた団体戦ではME・JMEともに東海高校・中学校が優勝した。

怪しい雲ゆき

第30回大会OBインタビューの際の澤口弘樹氏の言葉が思い出される。
「毎年必ずインターハイはあるもの。実はそんなことはないんです。僕が参加した24,25回大会は地震や積雪といった自然の脅威により中止となってしまいました。中止となった陰で、そのために準備をしてきた人たちの姿があります」
台風18号の接近によって大会は開催が危ぶまれていた。競技者が中高生(つまり未成年者)ということもあり、15日夜の段階で17日の個人戦は厳しい、台風のスピード次第では18日の団体戦も厳しいのではないかという意見が運営内にあった。大半が経験者で構成される運営者の中には、個人戦が積雪によって中止となった駒ケ根の25回大会を思い出す人も少なくなかった。
結局、個人戦が行われるはずだった17日の『勢子辻』での競技は前日の段階で中止となった。
そして、18日に天気が回復すれば、個人戦団体戦の両方を当日『丸火自然公園』で行うということになった。個人戦はトップスタートが朝8時、距離を短縮して競技時間90分で行い、11時から団体戦が行われるという前代未聞のスケジュールである。

個人戦を急遽『丸火自然公園』で行うこととなったため、運営者は対応に追われた。個人戦のコースを新たに組む必要があったほか、スケジュール変更の影響も大きかった。変更による新たな準備を2日間で行った。
また、17日の個人戦が中止になり、参加者は空いている時間が多いと想定された。そのため、テレインクイズやテレイン『勢子辻』のパズルなどが一夜にして運営者の手で作られ、レクリエーションとして提供された。「これ、「知」のインターハイじゃん、毎年やってほしい」などと話す参加者もいるなど、楽しんでいる様子だった。

 

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17日に行われたレクリエーションの様子


台風一過の快晴の中で競技実施

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当日は会場から富士山もくっきり見える快晴

 

18日の朝5時前、大雨と強風の注意報は継続して発令されていたが、外の天気は回復して晴れていた。テレインに危険個所がないことを確認した上で各校の顧問と会議を行い、全校の競技実施の同意が得られたため、競技を開催することとなった。

個人戦で最初に姿を現したのはJWEラストスタートの落合英那(滝中学校)。トップゴールでそのまま優勝を決めた。落合はコースについて「思っていたより難しくなかったので、ウイニングを切りたかった」と話していた。

JMEクラスは中間ラジコンを最初にシードの早川(東海中学校)が通過して、そのままトップゴールとなった。その後、ノーシードの寺嶋(小松川第二中学校)、シードの藤原(東海中学校)が競りながらゴール。藤原が優勝、寺嶋が2位となった。もう一人のシードの清古(麻布中学校)は4位だった。1位から4位までを中学2年生が占める形となった。 

MEクラスは金子(麻布高校)が43分台でトップゴールを果たす。その後、昨年度準優勝の祖父江(東海高校)が39分台、暫定一位でゴールして会場を沸かした。その後、シードの国沢(筑波大付属高校)がゴールするも奮わない結果、どうやらトラブルがあったようである。根岸健仁(麻布高校)はノンシードながら41分台でゴールし、暫定2位となる。そして、この日の麻布2人の好調に続くかのように、ラストスタートの折橋(麻布高校)が会場に姿を現した。ウイニングの35分に迫る37分台を叩き出して、優勝となった。折橋選手はインタビューで「(東海高校の)森清が不在なので、優勝しても嬉しくないだろうとか思っていたけど、いざ優勝してみると、めちゃくちゃうれしいです」と喜びを爆発させていた。2位の祖父江は表彰式のインタビュー時に「昨年は一つ上の原選手(当時桐朋高2)に負けてしまったので、ある意味仕方ないと思えるところもありましたが、今年は一つ下の折橋に負けてしまったので悔しいです」と語ってくれた。

今回の個人戦のコースについて、コースプランナーの長谷川は「直後に同じテレインで団体戦が控えているため、(選手権出場者とそれ以外の選手で)公平性が損なわれないように意識してコースを組んだ。結果として(up率2%前後の)ダウンヒル基調のコースとなった」と話していた。

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個人戦MEで優勝した折橋選手

団体戦MEでは国沢琉(筑波大附属)がウイニングを切る43分台の好走で2走につないだ。その走りと1走終了時ながらも筑波大附属の文字がボードの一番上にある光景は会場を驚かせていた。その裏で優勝候補筆頭とされていた麻布Aチームは1走が近接コントロールにミスパンチしてDISQとなり、早々に優勝戦線から離脱となった。麻布Aチームは3人の合計タイムが優勝相当であり、非常に勿体ないミスであった。その後は東海B、東海A、桐朋Aと続いた。2走では東海Aの祖父江が個人戦の雪辱を晴らす走りを見せる。団体戦トップのタイムでゴールし、トップに立つ。1走ゴール時には東海Bを12分ほどの差で追う展開であったが、逆に5分の差をつけた。足をつりながらも東海の生徒に支えられながらインタビューを受ける姿が印象的であった。筑波大附属の2走、3走の選手はオリエンテーリングをはじめてから日が浅いということもあり、順位は6位にダウン。2走終了時点で1位から東海A、東海B、桐朋Bの順となった。そして3走、ビジュアルでは東海Bと東海Aがほぼ同時に姿を現す、デッドヒート!先にゴールしたのは東海Bチーム。東海の層の厚さを見せつける形となった。1分ほどの差で東海Aが続いてフィニッシュした。東海高校としては実に3年ぶりの優勝となった。その後は桐朋の2チーム、浦和Aと続き、学校別順位で東海、桐朋、浦和となった。また筑波大附属は部の創設1年目ながら完走を果たした。

JMEでも東海A、Bの順にワンツーフィニッシュとなった。東海Aは一位を一度も譲らない展開であった。東海中学は団体JMEクラスでこのクラスの設立以来連覇が続いている。学校別では桐朋が2位、麻布3位となっている。

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仲間に支えながらインタビューを受ける祖父江選手

 

大会を終えて

急遽1日で行うことになった個人戦団体戦だが、特に大きな混乱もなく大会は終了した。参加者にとっても、個人戦団体戦を同日に行うことはなかなかの負担であったと思われる。しかし例年と変わらぬ、むしろそれ以上の盛り上がりを見せた。2レースを1日でこなすという状況の中、自分を支えてくれる人の存在をいつも以上に感じられたかもしれない。

後世に語り継がれていくであろう大会がまた一つ生まれた。

 

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個人戦MEクラスのルート図

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個人戦JMEクラスのルート図
    

 

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団体戦JME、東海のウイニングラン

 

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個人戦ME、表彰式


▼第31回全日本高等学校・中学校オリエンテーリング選手権大会
http://ih2017ol.html.xdomain.jp/

個人戦成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4182

団体戦成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4181 

 

 [Writer:Yoshi2]