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#123_雨雪舞う望郷の森、伊藤と増澤が制す! – 2018年度インカレミドル

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3月16日、岐阜県恵那市の『望郷の森2019』を舞台に「2018年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 ミドル・ディスタンス競技部門」(以下、インカレミドル)が開催され、男子選手権は伊藤樹(横浜国立大学4年)、女子選手権は増澤すず(筑波大学3年)が制した。

 

望郷の森、28年ぶりのリメイク

今年の春インカレは、例年より1週間遅いタイミングでの開催となった。内容は、例年通り初日にミドル・ディスタンス競技、2日目にリレー競技の2種目が行われる。
本大会のテレイン『望郷の森2019』は、片斜面が広がり、植生だけ見ると走りやすそうに見える。しかし、テレインの大きな特徴として細長い帯状に岩石地帯や礫地が発達している地帯が広がっており、そこではスピードが遅くなり方向維持も難しい。コース上には、片斜面上で岩石地帯や礫地を横断しながらのコンタリングが必要とされる箇所もあり、難易度は高い。実行委員長の築地孝和によれば「(岩石地帯や礫地により)通常の大会以上に怪我も懸念されることから、有事の対応のためにスポーツ庁公認のアスレチックトレーナーに会場に常駐してもらうという措置もとっている」とのことであった。
このテレインは、かつて1991年3月にインカレクラシックが開催されたテレインであるが、当時は選手権の部の競技が始まったころから雪がどんどん降り積もり、凍えて運ばれた選手もいたとのことである。本日の天気は、開場の頃は雨が降ったかと思えばその後晴天に恵まれ、28年前と異なり良好な競技・観戦環境になる…かと思いきや、選手権の部の中盤には一気に気温が下がり雪も舞うという、ずいぶんと慌ただしい天気となった。

 

女子選手権の結果 ~増澤、ロングと合わせて今年度二冠!~

女子選手権の優勝設定時間は38分。本大会は、世界選手権の日本代表選考レースも兼ねており、学生OGからは稲毛日菜子、盛合美誉といった有力選手が女子選手権の開始前に出走し、34~35分台という優勝設定時間を切るタイムを出した。両名ともミスをしたという話をしており、34分、あるいはそれを切るタイムが出てくるかもしれないという予想がされていた。
実際、第一中間通過は13分が優勝想定であったが、増澤が早々に11:45という優勝想定以上のタイムを叩き出す。増澤はそのまま勢いを増し、33:56という圧倒的なタイムでフィニッシュした。増澤の中間タイムは他を大きく引き離しており、このまま危なげなく優勝が確定か…と思われた矢先、第2中間を髙橋友理奈東北大学4年)が増澤プラス5秒という僅差で通過する。優勝の行方は増澤と髙橋の二人に絞られた。しかし、髙橋は終盤で1分のミスをしたようで、それがそのままタイム差となり、増澤の優勝が決まった。筑波大の女子選手としては、19年ぶりのミドル優勝となった。 

レース後、増澤にインタビューを行った。

―レースの感想を教えてください。

増澤:昨日のモデルイベントで難しいという感覚を持っていて、今日も地図を見た瞬間に難しいなと思いました。序盤は、自分はミスをする傾向にあるので、スタートしてから10秒くらいはその場(スタートフラッグ)で止まり地図を読んでプランして、慎重に始めました。後半になるにつれ徐々に上げていく感じを意識しつつ、とはいえ慎重に行きました。

―今回の勝因もそのあたりになるでしょうか?

増澤:そうですね、コントロールごとに止まってプランをしっかり立てて進んだのが良かったと思います。昨日のモデルイベントが全然わからなくて…特に礫地だったんですが、そこが不安でした。とはいえ、春インカレではリレーに特に懸けている部分があったので、割り切って今日は気楽に行けたところが良かったと思っています。

―今回のインカレ向けに特に準備してきたことはありますか?

増澤:「とりあえず直進」をしないように気を付けていました。普段から直進が好きで、よく使うのですが、それだけでは今回のテレインにはリスクがあると思っていました。そこで、地図読みの段階で直進に頼り切らないような、もし直進を使うにしても必ず地形の情報を入れて考えるようにしていました。

―優勝しての感想を教えてください。

増澤:すごく嬉しいです。びっくりです。関東ミドルセレも実は7位通過で、ミドルは苦手意識がありましたが、今日勝てたことでミドルについてももっともっと強化していこうと思いました。

―明日のリレーについても意気込みを聞かせてください。

増澤:今までのインカレ2日間は「どっちも良い」か「どっちもだめ」でしたが、今日うまくいったので、明日もうまくいくと思います!
優勝狙って走ります。

―ありがとうございました。あらためて優勝おめでとうございます!

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フィニッシュレーンを駆け抜ける増澤


男子選手権の結果 ~伊藤が圧倒的なタイムで勝利~

男子選手権の優勝設定時間も、女子と同じく38分。こちらも世界選手権の日本代表選考レースも兼ねており、結城克哉、尾崎弘和といった強力な面々が37~38分台のタイムであったことから、こちらはだいたい運営側の想定通りの優勝設定時間になるかと予想された。
まずは大田将司(一橋大学4年)が40:28という好タイムを出し、しばらくの間このタイムが暫定1位となっていた。このタイムを大きく上回ったのが伊藤樹だった。34:24という、全日本チャンプたちのタイムをも上回る圧倒的な記録に、会場は騒然とした。伊藤が暫定トップタイムを大きく動かす展開は、奇しくも昨年のインカレミドルと同じとなった。昨年は、伊藤のタイムを稲森剛(現・横浜国立大学4年)、上島浩平(現・慶應義塾大学4年)の2人がさらに上回る結果となり、今年も伊藤を上回るとしたらこの2人か…と予想される展開となっていた。しかし、今年は伊藤の強さが圧倒的であり、稲森、上島もそれに迫る記録は出したものの一歩及ばず、伊藤の優勝が確定した。横浜国立大学としてのインカレミドルの優勝は初となる。なお、準優勝となった稲森は、1年目からのインカレミドルの記録は3位、5位、準優勝、準優勝と、4年間入賞を続けるという快挙を成し遂げた。

レース後、伊藤にインタビューを行った。

―レースの感想を教えてください。

伊藤:会心のレース、というほどではなかったですが、自分らしいレースができました。ミスはたくさんしていて、30秒近いミスを3~4回しており、優勝の感触は無かったです。

―それだけのタイムを出しておきながら、完璧なレースではなかったのですね。今回のレースの勝因は何でしょうか?

伊藤:拾う地形をできるだけ絞って、スピードを上げて走れたのが勝因だったと思います。また、岩石地を渡るスピードは速かったと思います。

―岩場の走り方という点では、筏場のテレインにたくさん入った経験も生きたのではないでしょうか?

伊藤:そうですね、筏場での調査経験で自然と身に着いたところもあったと思います。

―今回、嬉しい優勝となりましたね。

伊藤:1~3位で、去年と同じメンバーで表彰台に乗れたことも嬉しいです。

―明日のリレーに向けて、意気込みを聞かせてください。

伊藤:明日は一つ一つのレッグに集中して、現役最後のレースを気持ちよく悔いなく終われるといいなと思います。

―ありがとうございました。あらためて優勝おめでとうございます!

 

www.youtube.com



▼大会公式webサイト
http://www.orienteering.com/~icmr2018/

▼成績速報(Lap Center)

https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=5127

 

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