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2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

#2_「名教自然」を駆けるキャンパス2本レース - 第6回KOLC大会

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1月7日、神奈川県横浜市保土ヶ谷区横浜国立大学『名教自然~駆け抜ける青のときは~』を舞台に第6回KOLC大会が開催された。

既報(#1_テクニカルキャンパステレインの魅力に迫る - 第6回KOLC大会開催前インタビュー)の通り、スプリント2本レース(午前は個人、午後はリレー)が提供された本大会。建物や通行不能の崖が不規則に立ち並ぶテレインで、どこが通れるのか、どこがベストルートなのか、集中力を問われながら、多くの参加者がキャンパスを駆け抜けた。

午前の部ではSIトラブルが発生

1本目のレースを終えた参加者がルート談議に花を咲かせていた頃、運営者は大きな問題対応に追われていた。というのも、コース中に設置されていたコントロールのうち、#43ステーション(M21Aで言うと8番目のコントロール)の設定がクリアステーションに変わっており、そこをパンチしたSIカードの記録が片っ端からクリアされていたのである。そのため、#43ステーションを通過したクラスは記録を読み取ることができず、M21A、W21Aを始めとする複数のクラスが不成立となってしまった。

#43ステーションの設定がクリアステーションに変わってしまった経緯は不明であり(少なくとも、数日前の試走では正常だった)、現在調査中とのこと。原因によっては他の大会でも起こりうる可能性があり、報告書等での原因究明結果が待たれる。また、今回の運営であれば、当日の最終確認時にユニットにパンチしたSIカードの記録を読み取っていれば、そこで記録の異常に気付き、問題を防ぐことができたと考えられる。

KOLC大会の開催が復活したのは昨年のこと。運営が不慣れな学生も多い中での問題対応は大変だったことだろう。運営者は、問題対応で忙しい中でも、参加者に対してもしっかり対応しているように見受けられた。最終確認後の記録読み取りの徹底や、問題発生時の対応など、今回体験したことはぜひ今後の運営に生かして欲しい。

スピード勝負、スプリントリレー!

午後の部はスプリントリレーが開催され、午前の部に引き続き大きな盛り上がりを見せた。

多くのチームが出走する中で、MAクラスを制したのは、スタート前から「茶の間」コールの応援によりひときわ大きな気合を見せていた「チーム茶の間」(嶋岡雅弘-松澤俊行-細川知希)。優勝を目標にしてレースに臨んだ彼らだったが、1走の嶋岡は「やまだかとう」(山田高志-加藤弘之-谷川友太)の1走、山田高志を追う展開となる。2走の松澤は「キャンパススプリントは東海ではあまり機会がなく、関東の若手は早いだろう」と予想しつつも「ルートを決めてしっかり走る、という基本をしっかりして」テレインの攻略に臨んだ。先を行く「やまだかとう」とは差があったが、リレーのパターン差もあるかもしれないと考えて焦らず淡々と走ったとのこと。

3走の細川出走時点では、「やまだかとう」との差は1分半近く。「これは逆転は難しい」と考えた細川は、自分の走りをすることに集中したということだが、「やまだかとう」が3走のコントロール不通過によりまさかの失格となってしまい、「チーム茶の間」が優勝を手にした。3人が焦らず自分の走りをしっかりこなしたところが勝因といえるのではないだろうか。

運営の工夫、意欲的な試みも多数!

今大会のコースプランナーを担当した稲森剛によれば、午前の部はルートチョイスを含むロングレッグ(M21Aであれば11→12など)や細かい地図読みを要するレッグを多く設定しており、午後の部は流れるようなスピードが出やすいコースを設定したとのこと。筆者は、午前よりも午後の方が走りやすいと感じていたが、それはテレインに対する慣れだけではなくて、コース設定の意図によるものもあったのかもしれない。

今回の運営では「ルートチョイスアンケート」という試みが行われ、参加者がルートとタイムを書き込んで、ルートを検証できるような仕組みとなっていた。スプリント競技ではルートチョイスが多数存在し、当然のことながらとったルートによってタイムにも大きく影響が出る。しかしながら、どのルートがベストだったのか、というのは後々考えても分からないことも多い。そんな中で、ルートとラップという2つの客観的なデータから、参加者同士で容易にルート検証ができるようになっていたこの試みは非常に素晴らしいものだと思う。

惜しむらくは、午前中のSIトラブルによりラップが出るのが遅れてしまい、検証にラップタイムを使うことができなかったところである。ぜひ、またの機会に実施してほしい。

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会場内に設けられたルートチョイスアンケート

 

また、午後の部の地図は、地図上でコントロールの通過順だけでなくコントロール番号も一緒に印刷されているという、フットOではなかなか見られない形式となっていた。世界選手権のスプリントリレーで見られている形式であり、コントロール位置説明表の番号をいちいち見返さずにステーション番号を確認することができるため、スピードを落とさずに走るレースを楽しむことができた。初見の参加者にとっては、番号の見方が分かりにくいといった声もあったため、表記に対する事前説明があればなおベストだったことだろう。

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スプリントリレーのコントロール番号表記

 

紹介しきれないが、本大会では他にも意欲的な試みが多く行われており、参加者の満足度も高かったように思われる。開催復活してから2回目の大会ということで、これから新たな歴史を刻んでいこうというKOLC大会。次回の大会についてもぜひ期待したい。

 

※1/11 19時 コース図を追加公開しました

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午前の部(スプリント)M21A コース図(SIトラブルにより競技不成立)

 

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午前の部(スプリント)W21A コース図(SIトラブルにより競技不成立)

 

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午後の部(スプリントリレー)MA コース図の一例

 

第6回KOLC大会

http://kolc6thcomp.wixsite.com/home

 

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