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#16_新生 本郷・弥生キャンパスに挑戦 – 第39回東大OLK前日大会

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6月3日、東京都文京区の『東京大学 本郷・弥生キャンパス』を舞台に「第39回東大OLK大会前日大会」が開催され、Longクラスは上島浩平(KOLC)が制した。

 

前日大会は今年で7年連続の開催

東大OLK大会の前日大会は、2011年の第33回大会前日に『東京大学 本郷・弥生キャンパス』で開催されて以来、今年で7年連続の開催となる。運営責任者の田中翔大に話を伺ったところ、今年は本大会が静岡県裾野市で行われることもあり、当初は裾野近辺での開催を予定していたとのこと。しかし、本大会の日程変更により、当初予定していた裾野近辺での開催は難しくなってしまったという。代わって都内で実施することとなったが、『東京大学 本郷・弥生キャンパス』の地図をリメイクしたいという思いもあり、6年ぶりに前日大会の舞台を東大キャンパスとして開催することとなった。

本郷・弥生キャンパスは昨年秋にもスプリントイベントが開催されるなど、前日大会以外にも何度かテレインとして使用されているが、これまでは2011年に作成された地図を修正して使用していた。しかし、地図がJSSOM(日本スプリント・オリエンテーリング地図図式)に準拠していなかったこともあり、また、地図全体のゆがみを修正する目的もあって、今回は一から地図を描き直したそうだ。地図調査は4月から2か月間の短期で行われたそうが、この大きさでしかも細かい特徴物が乱立する地図を2か月で一から描き直すのは相当大変だったのではないだろうか。

タッチフリーの特性、「流れ」を生かしたコース設定

今年の前日大会ではタッチフリーSIが使用された。タッチフリーSIについては既報(#14_タッチフリーSIで爽快に駆ける – 第35回サン・スーシ大会)でも触れたが、止まらずにコントロールを通過することができ、よりスピード感のあるレースを楽しむことができる。競技責任者の平山遼太によれば、今回はタッチフリーであることを意識して「アタックから脱出までの一連の流れがスムーズになるように意識したコース」を組んだという。その例は、早速Longクラスの△→1に見られる。

 

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Longクラス:△→1

距離的にも複雑さ的にも右ルートが速いかと思いきや、意外にも運営側の想定ベストルートは左ルート(18番コントロールの北西(左下)の天蓋を通行していくルート)。△→1のレッグ「だけ」見れば確かに右側のルートが速いのだが、1番コントロールパンチ時の動きがどうしてもUターンの動きとなる。その点、左回りであれば1番コントロールで減速せずにそのまま2番コントロールに向かうことができる。総合的には左ルートの方がタイムが速くなると意図されているようだった。もともと「パンチの方向と脱出の方向は合わせた方がスピードを落とさずに済む」というのはスプリントのテクニックとして言われていたことであったが、タッチフリーではパンチ時に止まる動作がない分、減速回避効果がさらに高まるといえる。

このように「流れ」を見越したルートチョイスを問うコースが提供されたが、参加者はどこまでそれを見越せただろうか。今回は運営側の想定ベストルート図を入手している。本記事の終わりにウィナーズルートと合わせて掲載するので、自身のルートと比較してみるのも面白いだろう。

 

この前日大会ではルートガジェットの公開も予定されており、自身のルートを記入して比較するなど反省にも生かすことができる。
前日大会ルートガジェットのURLは以下の通り。こちらもぜひご利用いただきたい。
http://comp.olk.jp/39/rg2pre/

 

WOC代表 上島が居並ぶ強豪を蹴散らす!

今回は東大のキャンパススプリントということで、当然ながら東大キャンパスに馴染みのある東大OBOGが有利となることが想定された。そのため、本郷・弥生キャンパスに通学・通勤経験のある方向けに専用クラス:UTokyoが設置された。LongクラスとUTokyoクラスはクラスは違えど同一コースなので、大方の予想では「Longの上位に対し、UTokyoの上位が地の利も生かして抜きんでたタイムをたたき出す」…というところであったが、なんとKOLCの上島浩平がUTokyoも含めての最速タイムをマークした。

今年のWOC日本代表選手でもある上島は「ミスが多くてだめなレースだった」と思っていたようで、結果を見て驚いていた。本人が振り返る通り、ルートにはミスもあり、例えば6→7は「6番コントロールのパンチ後にUターンしてスピードを落としてさらに遠回りのルートを選んでしまった」と振り返っていた。しかし、WOCに向けて単純に走力を上げる練習を積んできていたということで、今回の好成績はその効果が出ているのかもしれない。上島はWOCでもスプリント競技への出場が予定されている。「WOCのスプリントはあこがれの舞台。日本で経験できないようなテレインで走れるし、最高峰の舞台という点でも非常に楽しみにしている」と語っていた。WOC本戦に向けて全力を尽くしていくという上島だが、今日の結果は自信につながったのではないだろうか。WOC本戦での活躍も応援したい。

 

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プランナー想定ベストルート

 

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上島のウィナーズルート

 

速報より

第39回東大OLK前日大会
Long (3.8 km ↑38 m )
1 上島 浩平  15:25.2 KOLC
2 橘 孝祐  15:50.6 B軍
3 寺垣内 航  16:07.7 チームT
UTokyo (3.8 km ↑38 m )
1 堀田 遼  15:54.9 トータス

 

▼第39回東大OLK大会前日大会
http://comp.olk.jp/39/pre.html

▼前日大会への誘い – キリタチノボル
https://olkcomp39th.wordpress.com/2017/05/17/%e5%89%8d%e6%97%a5%e5%a4%a7%e4%bc%9a%e3%81%b8%e3%81%ae%e8%aa%98%e3%81%84/

▼成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4003

 

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