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#60_伝統の赤根、15年ぶりに復活!– 第38回早大OC大会

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218日、埼玉県飯能市の『赤根』を舞台に「第38早大OC大会」が開催され、最長クラスである6-1は佐藤俊太郎(東北大OLC)、6-2は寺垣内航(京葉OLクラブ)が制した。

 

早大OCの伝統あるテレイン『赤根』が15年ぶりに帰ってきた。1984年の第6早大OC大会『赤根峠』で初めて大会が開催されて以後、幾度にもわたり大会開催、リメイクが行われてきたが、今回は第25回大会以来15年ぶりのリメイクとなった。会場には「赤根の変遷」と称して、歴代の該当テレインの地図が展示されていた。

 

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会場内の展示「赤根の変遷」

 

『赤根』は全体的に急峻ではっきりとした尾根沢が見られ、コースの登距離が大きくなりがちなテレインである。しかしながら、アップダウンをなるべく抑え、ミドルらしくスピーディなレースとなるようにコースを組んだとのことだ。実際、6-1クラスを制した佐藤俊太郎(東北大OLC)は「それほど難易度が高めなコースでもなかったので、基本動作を確認しながら気持ちよく走ることができた。コースが単調になりがちなテレインと考えていたが、そのようなことはなく楽しく走れた」と話しており、コース設定の意図通り競技者も爽やかさを感じていたようだった。また、佐藤は自身のレースについては1か所ミスをしたそうで、56Cヤブの尾根に入らなければならないところを、素通りしてしまったということであった。とはいえ、それ以外のミスは無かったそうであり、来る春インカレに向けて調子は上々といったところか。

一方の6-2クラスを制した寺垣内航(京葉OLクラブ)だが、実は15年前に赤根で早大OC大会が開催されたときの競技責任者・コースプランナーだったそうである。「テレインがどのくらい変わったのか楽しみにしてきた」という寺垣内だが、「地図が見違えるほどよくなっていた。序盤(1番コントロールのあたり)でもう『これはいい地図だ!』という確信が沸き、気持ちよくリズムよく走れた」と話していた。コースについては「見通しがそれほど良くない中で尾根や沢にアタックするようなところが、ナビゲーションとして難しい要素だったと思う。その中で方向維持をしっかり行うことが重要と感じた」と話してくれた。「大会全体としてとてもいい大会だった。これからも継続して頑張ってほしい」と後輩たちへのエールも送っていた。

なお、最長の6クラスを、片方は寺垣内が、そしてもう片方を東北大のエースが制するという展開は、奇しくも昨年の早大OC大会と同じものとなった。

 

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6-1クラス ウィナーズルート

 

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6-2クラス ウィナーズルート

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6sクラス ウィナーズルート 

 

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6-1クラス 入賞者

 

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6-2クラス 入賞者

 

そして、レース後、もう1つ参加者を熱くさせたイベントがある。「飯能柏木登山競争」…山頂まで往復4.7km、アップ250mトレイルランニングがおまけイベントとして開催され、まだまだ走り足りない猛者たちが詰めかけた。運営の想定をはるかに上回る人気であり、当初用意していたシーリング済み地図は早々になくなり、追加印刷のため会場でプリンタがうなりをあげていた。本大会は「運営者がおもしろそうと思ったこと、やりたいことは積極的に詰め込んでいる」とのことだったが、この登山競争は最終試走でアイデアが出て、そのまま思い付きで実施することになったという。直前で思いついたことをここまで形にし、参加者運営者共に楽しむという見事な運営であった。なお、この飯能柏木登山競争は居並ぶ猛者を蹴散らし、KOLCの桃井陽佑が制した。桃井は「キロ4ペースで行こうとしたが登山部がやはりきつかった。また、最後がロードになっていて全力で走れてしまうのもきつかったが、スパートをかけた」ということで、終始追いこんでの走りとなったようだ。

 

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飯能柏木登山競争の地図

 

さて、今回の早大OC大会の地図はNishiPROが作成している。これについて、大会責任者の齋藤佑樹に話を伺ったところ、早大OC2期にまたがる大会運営構想が明らかになった。

まず、『赤根』は経年変化が大きく、また地図精度向上も見込める状況であった。早大OCとして使えるテレインを増やしたいという意図があったが、それなりの地図調査が必要な状況であり、例年通りの準備期間では難しいと感じていたそうである。そこで、2016年の12月には既にNishiPROへの地図作成依頼を行うことを決め、今大会の高い地図精度を確保するとともに、地図調査分の浮いたリソースを次回:第39早大OC大会の運営に回していたそうである。単に地図の高精度化だけではなく、次回以降の運営も見据えてのこととは、筆者としてはこれまで触れてこなかった考え方だったので驚くとともに、プロの活用がうまいと感じた。

そうなると、次回の第39早大OC大会は通常以上の準備期間をもって行っている…ということになるが、本大会の閉会式にてその開催地が明らかになった。次回大会責任者の大橋遼により「次回大会は長野県茅野市米沢付近の山林で開催する」との告知がなされ、まさかの関東外開催ということに会場はどよめいた。たしかに、これでは通常の準備期間では足りないであろう。それにしても、早大OC、ずいぶん思い切ったことを考えたものである。

関東を飛び出した次回の早大OC大会も、大きな賑わいを見せることを期待したい。

 

▼第38早大OC大会(本大会)

https://comp.wasedaoc.com/38th/

 

▼第39早大OC大会(次回大会)

https://comp.wasedaoc.com/39th/

 

▼成績速報(Lap Center

https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4412

 

謝辞:表紙の写真及びウィナーズルートは早大OCに提供いただきました。

 

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