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2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

#133_晩秋の黒森山国有林でテクニカルなミドル! - 第42回東北大大会

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11月24日、宮城県仙台市青葉区の『黒森山国有林』を舞台に「第42回東北大学オリエンテーリング大会」が開催され、M21Aは平山遼太(京葉OLクラブ)、W21Aは世良史佳(東大OLK)が制した。

当初は既存テレインのリメイクを考えていたという東北大大会。だが、そのテレインが0次調査(テレイン下見)で使えないことが発覚し、急遽別のテレインを探していたさいに白羽の矢が立ったのが、この『黒森山国有林』であった。ここは以前から東北大大会の開催が計画されていたテレインだが、工事がかぶる等の理由により開催されてこなかった。今年ついに開催…というところで、テレイン内の伐採が発生。実行委員長の石渡望によれば「東北大大会開催にあたりテレインを変えるか、日程を変えるかで悩んだが、やはりこの新規テレインで大会を開催しよう。後輩たちにも練習会が開催できるテレインを残したい」という思いで延期開催を決断、当初8月25日に予定されていた大会は、11月末の開催となった。東北大OLCにとっては、まさに「ようやく」の開催といえよう。
大会のスタート前には参加者に配布物が配られるが、そのなかには例年通り東北大の部誌「だっちゃでけさい」(通称「だっちゃ」)の大会バージョン品も含まれていた。その中には仙台のテレイン紹介として「おすすめテレインテスト」なるコーナーもあった。筆者も挑戦してみたが、なんとおすすめは今大会テレインとなった。これはますます出走が楽しみになってきた。仙台近郊の様々なテレインについて書かれたこのコーナーに引かれる東北大OBOGは多く、いうなれば「東北大OBOGホイホイ」といったところか。

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あなたにおすすめテレインテスト(大会だっちゃより抜粋)

本大会では、スタート地区は「5分前枠」「4~3分前枠」「2分前枠」「1分前枠」という変わった形式が取られていた。4分前になったら、2分の間に200mの道のりを進むシステムとなっている。スタート地区は狭い道上にあったので、そこでスタート待ちの参加者がたまりすぎるのを防ぐための方策であろうか。
本大会はミドルディスタンス競技。最初から最後まで気が抜けず、ここ最近の東北大大会の中でも特に難しいものとなった。しかも天気は雨ということで、参加者はすべる斜面や湿地でどろどろになりながらのレースとなった。筆者はレース中、何人かの東北大OBとすれ違ったが「ミドルなのに…つらい」「この斜面とヤブの感じ…仙台に戻ってきたと感じる。すごく感じる」等々、Newテレインであるにもかかわらず、彼らは「仙台のテレイン感」を強く感じていたようだった。なお、実行委員長の石渡は『黒森山国有林』を「宮城っぽくない、植生が良いヤブが広がっているテレイン」と話しており、実際「入れないヤブが広がっている」仙台の他テレインに比べれば植生が良いのは間違いないのだが、関東のテレインに慣れてしまったり、久々にオリエンテーリングに挑戦するOBにとっては、仙台のフォレストはやはり過酷であった。
なお、このテレインでは大会で使用されなかった南側のエリアでもオリエンテーリングはできるようであり(ただし、大会だっちゃには「南側は絶望が広がっている」という意味深な文言があったが…)本大会のコースのように技術的難易度が高いコースを組むこともできる。今後、東北大OLCのレベルアップにも大きく寄与するテレインとなるであろう。

M21Aでは、この難コースを京葉OLクラブの平山遼太が制した。平山は「優勝設定時間に遠く及ばず、まさか優勝するとは思っていなかったので驚きました。2番で大きなミスをしてしまったものの、そこで落ち着いて残りのレッグを冷静にこなせた点が良かったと思っています」と話してくれた。また、東北大大会の感想についても聞いてみたところ「前日大会も含めてテレインとコースが面白かったことが印象的でした。適度なヤブが良い味を出していたと思います。個人的には、体験会を会場でやっていたことが嬉しかったです。レース前に良いアップができました」とのこと。雨天となると体験会の人の入りも少なくなりがちだが、会場で体験会が行われていると雨天時でもアップに活用されたりレース後体力があり余った参加者が乗り込んだりと、地図が余る心配は少なくなるかもしれない。

レース後は、大会協賛のカレー店が参加者により大賑わいを見せていた。前日大会の松島から引き続き、地元の店との良好な関係が築けていそうな点でも印象に残るような大会であった。

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M21Aのコース図

 

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W21Aのコース図

公式webサイト
https://www.42nd.olc.org.tohoku.ac.jp/ 

▼成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=5677

 

謝辞:本記事表紙の写真は、斎藤早苗様が撮影されたものを使用させていただいております。

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