OK-Info

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#147_夢の4daysをチェイシングロングで締めくくる - しおや4days4日目

7月26日、栃木県塩谷町の「塩谷熊ノ木」でしおや4daysの4日目が行われた。

 

f:id:colorfulleg:20200727075152j:imageフィニッシュの様子

最終日のこの日は3日目までの競技結果によるチェイシングスタート。前回の記事の通り、スタート間隔はタイムが圧縮された変則的なものとなっている。

 

前日に引き続き塩谷熊ノ木が舞台だが、西側の山塊も使用されている。チェイシングのLLクラスは6.4kmと今回のレースでは最も長い。

 

スタート順は谷川友太、佐藤遼平(トップから27秒)、上島浩平(同1分9秒)、伊藤元春(同1分16秒)、菅谷裕志(同1分42秒)となっていた。タイム差は10%に圧縮されているため、総合成績を詰めるのには、見た目以上の差を埋める必要があった。

 

ウイニングタイムは60分であったが、先にスタートとなったチェイシング対象以外の参加者で寺垣内(京葉OLクラブ)が50分台を出しており、チェイシングスタートの参加者も同程度のタイムで帰ってくると予想された。この頃、降っていた雨は止み、夏空が広がっていた。

f:id:colorfulleg:20200727075258j:imageインスタ映えスポットも夏空でより映える

 

チェイシングで会場に最初に姿を現したのは佐藤。その数十秒後には谷川が現れ、それぞれチェイシング対象者の1位・2位となった。その後の3位争いも熾烈で上島・菅谷・伊藤の順に僅差でのフィニッシュとなった。

 

結果、チェイシング対象有無に関係ない単日の成績では上述の寺垣内がトップとなった。

そして、総合成績では谷川が優勝、2位に佐藤、3位上島となった。

 

それぞれフィニッシュ直後の運営者によるインタビューで以下のようにコメントした。

 

谷川「(佐藤とは)4分差あったので、追い付かれても一緒に走っていればいいので、最高の展開だった。」

佐藤「中盤以降ずっと(谷川と)一緒にいて、しかもツボりあうという展開だった。」

上島「途中、(伊藤)元春と一緒だったが、巻いた。威厳を保てた。」

 

総合優勝の谷川氏はOK-infoの取材に対し、

「4日間頑張れた。しっかり練習できてよかった。トレーニングは普通にしていたが、なかなかオリエンテーリングをする機会は少なく、今回全種目をできて良かった。アジア選手権はなくなったが、全日本をターゲットの大会として頑張りたい。」と話してくれた。

 

f:id:colorfulleg:20200727075515j:image入賞者

 

山川氏現れる、そしてクライマックス

 

チェイシング対象選手がフィニッシュし始めるころ、YMOE山川氏が夫婦で会場に姿を見せた。山川克則氏は緊急手術を経て、退院したばかりである。

 

山川氏は参加者への挨拶で先の手術を経た経験から「死んでしまったら無。夢は語り継がれてこそ意味がある。」と述べた。その上で「(本場O-ringenを考えると)今回は30点くらい。しかし、夢が始まったという意味は大きい。」と述べた。

f:id:colorfulleg:20200727075614j:image夢について語る山川氏

 

実行委員長の坂野氏から運営者にインタビューがあったあと、本人から参加者に挨拶が行われた。「山川さんが倒れてからは大変だったが、運営者・参加者のおかげで良い大会になった。自分一人ではできなかった。来年以降も(3連休でもいいので)またやりたい。」と述べると、他の運営者による坂野氏の胴上げが起こった。

f:id:colorfulleg:20200727075736j:image参加者に挨拶する坂野氏

 

また、ベテランである高橋厚氏や山田京子氏のフィニッシュ時には4日間走り切ったことに対するリスペクトを込めて拍手が起こった。

 

最後にみんなでしおや4daysのポスターへの寄せ書きを行った。山川氏のコメントは「夢ははじまったばかり」。

f:id:colorfulleg:20200727075359j:image寄せ書きの様子

 

災い転じて福となす。状況が決して良いとは言えない中で突如現れた日本版O-ringenは日本のオリエンテーリング愛好者に確かに希望と夢を与えて幕を閉じた。

 

 [Writer : Yoshi2]