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#56_学生クラブの挑戦を退け、クラブカップを制したのはトータス - クラブカップ7人リレー2017

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11月26日、長野県大町市、国営アルプスあづみの公園を舞台に「山川メモリアル オリエンテーリング クラブカップ7人リレー」が行われた。ベテランカップは京葉OLクラブが、クラブカップはトータスが獲得した。ともに2013年の滋賀、希望が丘以来4年ぶりの優勝である。


前日までは寒波の影響で、この地域でも少し早い降雪のあった大町市。クラブカップ当日の天気は快晴で、気温も高く、日本一の参加者数を誇る大会は、絶好のコンディションでの幕開けとなった。主催者発表による参加チーム数は179、のべ1172人の集まった大会は、予定よりも10分遅れの9:00に全チームが一斉スタートして戦いの幕が切って落とされた。 
ベテランカップの注目は、3連覇中のOLP兵庫を止めるチームはどこか。そして、今年は女子2人というシンプルなチーム規定となったクラブカップは現役学生チームが強豪地域クラブに勝てるのか、であった。 

クラブカップと同時スタートで、1、2、3走はコースも同じものが使われていたベテランカップ。強豪クラブ1走の中では京葉OL早野が33分台の好タイムでOLP兵庫や入間市OLCに対して約6分のリード奪う。このまま京葉の楽勝かと思えたが、2走の田中がレース中に貧血で動けなくなるアクシデント。どうにか持ち直して3走小山に繋いだが、2位の入間市との差は39秒に縮まった。
クラブカップと同じ準エース区間の3走でも京葉小山と入間奥山のマッチレースが続き、わずか5秒差で京葉4走の齋藤を入間の久保田が追ってスタート。4走はクラブカップの5走と同じコースであるため、難易度が低く走力がタイムに直結する。スタートから約30分後、先に会場のパブリック区間に姿を現したのは京葉の齋藤で、ほぼ同時にスタートした久保田を振り切っていた。最終的には7分以上の大差をつけて、ベテランカップを制したのは京葉OLクラブとなった。2位は入間市OLC、3位にはさらに10分以上離れてOLP兵庫となり、4連覇はならなかった。

 

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ベテランカップ優勝の京葉OLクラブ(右から1走早野、2走田中、3走小山、4走齋藤)

 

表彰式でのインタビューで、京葉の3走小山は「クラブカップの3走選手が周りに沢山いて、自分もペースを上げられた」と語っていたが、途中までは完全にクラブカップと同じコースで同時に競われたベテランカップは一つの新しい試みであった。どうしてもクラブカップに注目の集まるCC7であるが、今回の試みは運営の省力化のみならず、ベテラン選手にとっても張り合いのあるものとなっていたのではないか。ただ、一方ではクラブカップの順位が目まぐるしく変わる中、ベテランカップの状況がわかりにくいという課題もあるようだった。
なお、4連覇がかかっていたOLP兵庫は今年、クラブカップのチームに橋本、岩倉、山本らの主力ベテランを出場させていた。それでも3位確保はさすがと言える。

 

今年のクラブカップにおいて作戦上の鍵を握るのは、女子選手2人をどの走区に起用するのか、ということであった。優勝候補と目されていたチームの多くが最速予想タイムの短い5、6走に女子選手を並べたのに対し、京葉とトータスは異なる作戦を取っていた。前日の全日本スプリントチャンピオンで、現役女子では抜けた存在の稲毛擁する京葉は、その稲毛を序盤の2走に置き、6走に実力者の柳川を配していた。トータスの第2チームも同じ作戦で女子を2走と6走に配したが、第1チームは1走に走力のある増澤、6走に女子エース宮川を配していた。これらの3チームは後半追い上げ型であり、他のチームは序盤で広げたリードを守りきるという戦いになることが予想された。 
その予想通り、序盤は女子選手を配していない現役学生クラブチームや広げよう留年の輪(大学の留年経験者で構成)チームが活躍。ベテランカップと合わせて179チームの先頭でパブリック区間に現れたのは、優勝候補の一角、KOLC(慶應、横浜国立、横浜市立、相模女子、フェリスで構成)の伊藤。直後に東大OLK(東京、一橋、立教などで構成)の種市と留年の輪佐藤雄太郎、東北大佐藤誠也、京葉岡本の4人が続き、この5人が後続を引き離したまま相次いでチェンジオーバー。トップ留年の輪佐藤は24分台の高速レースであったが、6位以下は2分近く離された。OLCルーパーの1走落合は31分台で健闘したが、トータス1軍の増澤は流れに乗ることができず、36分台でチェンジオーバー。両チームは以降しばらく速報ボードに姿を表すことはなかった。

 

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1走トップ集団のパブリック区間(KOLC伊藤、後ろは東大OLK種市)

 

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注目の京葉稲毛はトップと僅差でスタート

 

2走でトップに立ったのは東大OLKの加藤。2秒差で東北大の北見、さらに約30秒差でKOLCまでがトータル51分台で、4位留年の輪は2分以上の差をつけられた。注目の京葉稲毛は大きなミスを犯して34分台と振るわず、ルーパーとほぼ同時フィニッシュで、トップとの差は8分以上に広がってしまった。少し空いて5位はあざおOLC(旧杏友会?)、6位に名椙2軍(名古屋と椙山女学園で構成)、7位に東大OLKの2軍と現役学生チームが上位を賑わせる。

 

準エース区間の3走でトップに立ったのはKOLCの上島。コーストップのタイムで2位の東大OLK宮本を90秒以上引き離して独走態勢に。3位の東北大は4位留年の輪とともに、さらに2分近く差を広げられた。5位のあざおと東大OLK2軍はさらに3分以上差を広げられ、このあたりから各ランナーの孤独な戦いが始まった。京葉平山が16位から8位に順位を上げ、名椙1軍は9位をキープ。ルーパーが14位、トータス1軍が16位、2軍が19位と徐々に順位を押し上げてきた。

 

エース区間の4走では先のインカレロング1~3位が激突。KOLC稲森(ロング3位)を東大OLK松尾(ロング優勝)、東北大佐藤俊太郎(ロング2位)が追ってスタートしたが、ここでは昨年までロング2連覇の稲森が意地を見せてトップをキープ。しかし、新チャンピオン松尾が14秒差まで詰めてチェンジオーバー。東北大佐藤は3位をキープしたが、差を詰めることができなかった。4位留年の輪まで順位は変わらなかったが、名椙の南河が松尾らを上回るタイムで5位に浮上。その南河を4秒差まで追い詰めて一気に6位まで浮上してきたのがトータス1軍の尾﨑。全日本ロングチャンプがコーストップのタイムで京葉のエース寺垣内と並走して一気に入賞圏まで飛び込んできた。ルーパーも5位とは1分差の10位まで浮上して、各チームの女子選手たちが登場する後半戦が始まった。

 

ルーパーと学生チームが女子選手を配した5走で、男子選手を置いたチームが一気に浮上する。トップでチェンジオーバーしたのはトータスの近藤で、優勝候補の一角が序盤の出遅れをここでひっくり返す。京葉の上野、トータス2軍の石山も容赦なく女子選手たちを抜き去り、それぞれ3位、6位に浮上。KOLCは成澤が僅差の2位に踏みとどまったが、東大OLKの木村は8位に後退してしまった。東北大も5位、名椙も7位と順位を落としたが、まだトップのトータスとは4分程度と、熾烈な優勝争いから脱落することはなかった。

 

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5走で男子選手を配したトータス、京葉が躍進

 

ほぼ全チームが女子選手を出走させた6走、KOLCの大類が格上のトータス宮川に迫り、パブリック区間を秒差で通過。6走はパブリック区間の前が短く、各チームが緊張して待っていると、なんと大類が逆転してトップで坂梨とチェンジオーバー。13秒差で宮川が結城につなぎ、大接戦の勝負はアンカー7走に持ち込まれた。2分遅れて3位で京葉の柳川、4位の東北大臼井はそこから4分以上離されてしまい優勝は厳しくなったが、僅差でトータス2軍、名椙、東大OLK、ルーパー、留年の輪、あざおが続いており、入賞争いも大接戦となった。

 

豊富な戦力で7走に結城を温存していたトータスが、最後はKOLC坂梨に6分以上の大差をつけて4年ぶりの優勝を飾った。1走から常に3位以内をキープし続ける活躍を見せたKOLCが2位。3位は京葉の田中がキープして、4位以下は激戦となった。驚異的な追い上げを見せたルーパー松井と5秒、トータス2軍の有賀とは12秒差で4位を勝ち取ったのは名椙の杉浦。実質的に単独大学で構成されたチームではトップとなり、リレーに強い名大を印象づけた。トータス2軍にわずか7秒及ばなかったのは東北大長岡、さらに2秒後に東大OLKの佐藤遼平もフィニッシュし、4位から8位まではわずかに21秒という見応えのある接戦であった。入賞の枠を巡って学生クラブと地域クラブとが接戦を演じることになったのは、エース区間が中盤にあり、後半区間は難易度が低めのコースという設定となっていたことが功を奏したのではないか。

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上位11チームのトップとのタイム差推移

 

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トータスのウィニングラン(左から結城、近藤、堀田、濱宇津(監督)、尾﨑、増澤、宮川)

 

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右から走区順に増澤、大田、堀田、尾﨑、近藤、宮川、結城

 

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クラブカップ上位6チーム

 

閉会式で、主催者の西村は「ルールを決めるところから勝負が始まっている、と思ってもらっていい」と語った通り、今後もクラブカップは試行錯誤を重ねていくようだ。近年、学生クラブと地域クラブとの戦いで盛り上がりを見せるクラブカップ。来年はトータスとの共催で、山梨県、瑞牆の森を舞台に行われる予定とのこと。今年のような熱戦が、また見られることを期待したい。

 

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NishiPRO西村の閉会挨拶

オリエンテーリングサミット2017in国営アルプスあづみの公園
(全日本スプリント&クラブカップ7人リレー)
http://nishipro.com/7relay/index.php


▼成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/lapcombat2/index.jsp?event=4277

 

 [WriterHawk]

 

#55_白い森での全日本スプリントは結城・稲毛が初優勝 - 第10回全日本スプリント

 

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11月25日、長野県大町市の『国営アルプスあづみの公園 大町・松川地区』を舞台に、「第10回全日本スプリントオリエンテーリング大会」が開催され、女子選手権は稲毛日菜子選手(京葉OL)が、男子選手権は結城克哉選手(トータス)が制した。

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#54_甦る”神”テレイン! - 筑波大学旧図練習会 in 神峯

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11月23日、茨城県日立市にて筑波大学オリエンテーリング部による練習会が開催された。テレインは当部所有の「神峯」。過去の筑波大大会で使用されるも、以降長らく日の目を見ることなく秘蔵されていたテレインである。知られざる良テレインを走れるとの噂を聞きつけ、部内外を含めて総勢約40名が参加した。

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#53_CC7注目チーム展望&意気込みアンケート

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明日11月26日、長野県大原町、国営アルプスあづみの公園を舞台に行われる今回のCC7。
直前ではあるが、筆者勝手な各チームの展望とそれぞれのチームに行ったアンケートを掲載する。

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#52_地域活性とオリエンテーリングのコラボ企画! - 第31回新大大会

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11月18日、新潟県魚沼市大白川地区にて、第31回新潟大学オリエンテーリング大会が開催された。一足早い雪景色の中、総勢80名以上が山間部の集落内を走り抜けた。
大会は当初、スプリント・ミドルの2日間大会として企画されていたが、直前の降雪により2日目のミドル競技が中止となった。交通手段が確保できずに1日目から参加を見合わせる選手も続いた一方で、国内ではなかなか機会のない集落スプリント、後述する前夜祭を目当てに集まった熱心なオリエンティアらにより、静かな集落は俄かに活気づいた。

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#51_関ケ原古戦場を制するは、松尾と勝山! - 2017年度インカレロング

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11月12日、岐阜県不破郡関ケ原町の『関ケ原古戦場2017』を舞台に「2017年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 ロング・ディスタンス競技部門」が開催され、男子選手権は松尾怜治(東京大学4年)が制した。また、女子選手権は勝山佳恵(茨城大学3年)が制し、ロング二連覇を達成した。

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#50_種市と佐野が市街地スプリントを制す! - 2017年度インカレスプリント

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11月11日、岐阜県大垣市の『時(とき)』を舞台に「2017年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 スプリント競技部門」が開催され、男子選手権は種市雅也(東京大学2年)、女子選手権は佐野萌子(京都女子大学3年)が制した。

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