#87_灼熱のテクニカル・スプリント! - 寺垣内・勝山壮行スプリント
例年より早い梅雨明け宣言が発表された直後の6月30日、茨城県土浦市にて「寺垣内・勝山壮行スプリント」が、ときわ走林会及び茨城大学オリエンテーリング部の有志によって開催された。気温30℃を超える炎天下の中、関東在住者を中心とした総勢70名近くのオリエンティアがテレインに集結した。
7/23 編集ミスにより、ルート図にルートが書いていない(ただのコース図になっていた)箇所を修正しました。申し訳ありません。
一昨年より、茨城県では継続して代表選手の壮行イベントが開催されている。毎年多数の日本代表選手を輩出している県内の競技レベルの高さは元より、社会人クラブと学生クラブが連携した運営スタイルを継続している点も、他県に類を見ない画期的な試みと言える。なお、今年度は各代表チーム(WOC・WUOC・JWOC)間の日程調整が難航したため、筑波大学オリエンテーリング部所属の代表選手とは別開催とし(参照記事:#68_筑波から世界へ! - あけぼの杯・あかつき杯)、同じく県内在住の寺垣内・勝山両選手の壮行会を開催するに至った。
テレインは土浦市街地近くに位置する「霞ヶ浦総合公園」。2016年にニューマップとしてパークOイベントが開催されて以降、主に県内クラブの内部イベント等で利用されてきた。園内にはグラウンドや整備された林のほか、テニスコート等の立入禁止エリアや横断不能の水路、人工の丘などの多様な特徴物が整備されており、短い距離で目まぐるしく状況が変わるのが特徴である。今回は代表チームの練習メニューが併設されたこともあり、公園のレイアウトを存分に活用したテクニカルなコースが用意された。
関東パークOツアーの対象となったLクラスを制したのは、橘孝祐(ES関東C)。壮行選手である寺垣内(京葉OLC)、JWOC代表選手である北見(東北大OLC)らが15分台前半のタイムをマークする中、ただ一人ウィニングを切るタイム(14分53秒)を叩き出した。また、やはり壮行選手である勝山佳恵(茨城大OLD・ときわ走林会)は、女子で唯一20分を切るタイムを記録した。
男女各トップのルート図を以下に掲載する。ルートチョイスが求められたレッグとして、12-13が挙げられる。ここでは橘をはじめとする多くの上位選手が左回りのルートを選んだが、コントロール手前の柵の迂回により、10秒程度のミスタイムを計上している。一方で右回りを選択した勝山、稲毛らはほぼミスタイムが無い。距離は伸びるものの、迂回・登坂の双方が回避でき、かつシンプルな本ルートが正解だったと思われる。
橘・勝山のルート
イベントの最後には両選手よりレースの感想、遠征に向けての抱負が述べられた。その要約を以下に掲載する。
寺垣内選手(世界選手権出場)
「全日本大会以降、スプリントを練習する機会が少なく、早い動きに慣れていない感覚があった。その中で、今日のレースでは細かい読図が求められる等の場面が続き、非常に良い練習になったと感じる。同時にフォレストでも活かせること、現在の自分に足りないことのヒントも得られ、収穫のあるレースになった」
「遠征まであと1ヶ月となり、ナビゲーションの感覚、コンディションなど、これからの調整に対し、ワクワクした気持ちと緊張感が自分の中で入り混じっている。まずは自分(達)の持てる力を最大限出せるよう準備することにフォーカスを置き、その結果として結果が付いてくれば良いと思う」
勝山選手(世界学生選手権出場)
「気が抜けないコースで、暑い中で如何に集中力を持続するかを心掛けて臨んだ。出国前最後のレースで、自分の出場種目の一つであるスプリントの感覚を確かめることができてよかった」
「国際大会に出場するのは4年目になり、その4年分の成長の結果をレースで発揮できればと考えている。自分が目指している姿はもっともっと遠くにあり、そこに近づくための通過点として今回の大会に臨みたい。また、帰国後はさらに飛躍できるよう、貴重な経験を積んできたい」
世界学生選手権は7月17~21日(フィンランド)、世界選手権は8月4~11日(ラトビア)で開催される。それぞれの舞台で両選手の活躍が期待される。
競技結果
Lクラス 1位 橘孝祐(ES関東C) 14’53”
2位 北見匠(東北大OLC) 15’06”
中島正治(横浜OLC) 15’06”
女子1位 勝山佳恵(茨大OLD・ときわ走林会) 19’59”
▼寺垣内・勝山壮行スプリント
https://japan-o-entry.com/event/view/146
https://mulka2.com/lapcenter/lapcombat2/index.jsp?event=4672
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