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2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

#62_不動の滝での個人戦、上島と勝山が制す! – 2017年度インカレミドル

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3月10日、栃木県日光市の『不動の滝 ~風纏う君 光と為りて~』を舞台に「2017年度日本学生オリエンテーリング選手権大会 ミドル・ディスタンス競技部門」(以下、インカレミドル)が開催され、男子選手権は上島浩平(慶應義塾大学3年)、女子選手権は勝山佳恵(茨城大学3年)が制した。


3月12日15時更新 選手権上位3名のルート図を記事末に追加しました

名勝負の行われたテレイン、再び

今年度を締めくくる学生の決戦の舞台…春インカレ。例年通り、初日にミドル・ディスタンス競技、2日目にリレー競技の2種目が行われる。
舞台となった『不動の滝 ~風纏う君 光と為りて~』は、全体としては走行度は良好だが、急峻な斜面も見られるテレインである。旧図で言うところの『不動の滝(南)』『日光愛宕山』の範囲にあたる。中心となる『不動の滝』は2004年度の春インカレが行われたテレインであり、13年ぶりにインカレが帰ってきたことになる。また『日光愛宕山』は2012年度春インカレのモデルイベントで使用され、その後『日光所野』と連結して2014年度の日本代表選考会が開催されるなどしている。
かつて名勝負の行われたテレインで、いま学生オリエンテーリング界の決戦が行われる。

女子選手権の結果 ~勝山、今年度二冠達成!~

女子選手権の優勝設定時間は35分。まずは全体2番目スタートの佐野萌子(京都女子大学3年)が39:09でトップゴール。佐野の第1中間通過は10:04だったが、それを勝山佳恵(茨城大学3年)が8:41で大きく更新した。そのまま、勝山は第2中間もトップを更新し、35:15とほぼ優勝設定時間の記録でフィニッシュした。一方、宮本和奏(筑波大学1年)が8:58、山岸夏希(筑波大学3年)が8:52と、勝山に匹敵するタイムで第1中間を通過しており、注目を集めた。さらに、山岸は第2中間で勝山のタイムを15秒上回りトップタイムの更新が期待されたが、その後にミスをしたのか順位を落とした。
その後、勝山のフィニッシュタイムを破る選手は現れず、勝山の優勝が確定した。勝山は、今年度はインカレロングに次ぐ二冠、昨年度のロングも含めると累積で三冠目となる。
レース後、勝山にインタビューを行った。
―レースの感想を教えてください。
勝山:走れるけども、難しいコースだった。スピードを出しすぎるとミスしてしまい、スピードとミス防止の駆け引きが難しかった。ところどころ、難しいレッグが混ざっていて集中力を要した。
―どのようなところがうまくできていたと思いますか?
勝山:丁寧にいくこと、を目標としてレースに臨んだ。ある1か所で2分くらいミスしたが自分を見失わずに最後まで集中してできたのが良かったと思う。
―優勝しての感想を教えてください
勝山:素直に嬉しい。ただ、これで調子に乗ることなく、これからも向上心を持ち続けたい
―翌日のインカレリレーに向けて一言お願いします。
勝山:明日も自分のレースができるように頑張ります
―ありがとうございました。あらためて優勝おめでとうございます!

準優勝は村田茉奈美(フェリス女学院大学3年)が手にした。「自分では予想していなかった順位であり、びっくりして言葉にならない。もしかしたら入賞狙えるかも、とは考えたが、そのチャレンジャー精神が良かったのかもしれない」と話していた。
3位は、第2中間時点で首位に立っていた山岸夏希。「最近のインカレ個人戦では結果が悪くて入賞圏外であり、今まで優勝だけを狙って心が苦しくなっていたが、今年は開き直って気楽に臨んだ」と話してくれた。

※本記事末に上位3名のルートを掲載します。

男子選手権の結果 ~上島、慶應義塾大学初の個人戦優勝!~

男子選手権の優勝設定時間も、女子と同じく35分。まずは全体トップスタートの是永大地(名古屋大学4年)が40:00でトップゴール。さらに、粂潤哉(東京大学4年)が38:15、岩井龍之介(京都大学2年)が37:05と記録を更新する。記録を大きく動かしたのは伊藤樹(横浜国立大学3年)。34:59と、優勝設定時間を切るタイムをたたき出した。そして、稲森剛(横浜国立大学3年)が、第1中間で伊藤から10秒遅れ、第2中間で12秒遅れと大変な接戦をしている情報が会場に伝わり、会場はさらに沸き立つ。伊藤と稲森はどちらに軍配が上がるか…会場が見守る中、稲森がフィニッシュ…記録は34:51と、伊藤を8秒上回り、逆転した。
その後、上島浩平(慶應義塾大学3年)第2中間を、これまでトップだった伊藤の記録を14秒上回り、トップタイムの更新が期待された。応援が更に熱を帯びた会場に飛び込んできた上島は、34:42と稲森を9秒上回りトップに立った。
最終的に優勝は上島、準優勝は稲森、3位は伊藤と、KOLCの3人が僅差でトップ3を占めることになった。慶應義塾大学としてはインカレ個人戦初の優勝者となった。
レース後、上島にインタビューを行った。
―レースの感想を教えてください。
上島:地形のイメージが求められるコースでとても楽しく爽快に走れた。東さん(本大会コース設定者)のコースで育ってきたこともあり、対応しやすかったというのもあると思う。
―優勝しての感想を教えてください
上島:非常に気持ちが良いです。結果が良かったのはもちろんですが、レース事態も納得のいく最高の走りができた。後悔だけはしないように自分のレースをすることを考えていたので、それが実現できてうれしい。
―翌日のインカレリレーに向けて一言お願いします。
上島:明日は慶應が強豪校となったということを強く印象付けるレースをします。
―ありがとうございました。あらためて優勝おめでとうございます!

 

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優勝した上島

準優勝の稲森は「1つだけ大きなミスをしてしまったが、全体としては流れるようなとても良いレースができて気持ち良かった。上島に負けたのは悔しいが、KOLCから多くの入賞者が出たことがとても嬉しい。明日はまた別のレースなので、気持ちを入れ替えて優勝を目指したい」と話していた。
3位の伊藤は「走り終わっての手ごたえはいい感じだったが、細かいところのみすがひびいて前の2人にさされたのは悔しい。ただ、自分以外にもKOLCの仲間が2人好成績を収めたことは嬉しい」と話してくれた。

※本記事末に上位3名のルートを掲載します。

秋インカレ+トレイル+ミドルの各校獲得メダル数 ~山川杯の行方は…?~

明日のインカレリレー終了後には「山川杯」の表彰が行われる。山川杯は秋春インカレの獲得メダルの合計数で1位となった学校に授与されるが、その性質から「総合力の表彰」としても注目されている。昨年の山川杯受賞時にも明らかにされたが、今年からの変更点として
・春インカレ前日に行われた「トレイルO」のAクラスのメダルも集計対象とする。
・これまで1位のみだったが、3位まで表彰を行う。
とのことであった。
昨年度は東京大学が受賞したが、今年度はどの大学が受賞するだろうか?
OK-Info調べによる、インカレミドル終了時点でのメダル獲得状況は以下の通り。

・集計間違っていても責任は負いかねますのでご了承ください
・内訳は上位6校のみ表示

23枚…東北大学(秋12、ミドル11)
21枚…東京大学(秋13、トレイル4、ミドル4)
13枚…名古屋大学(秋6、ミドル7)
10枚…筑波大学(秋6、ミドル4)
5枚…新潟大学横浜国立大学(秋2、ミドル3)、
3枚…茨城大学早稲田大学慶應義塾大学椙山女学園大学
2枚…京都大学一橋大学奈良女子大学京都女子大学横浜市立大学
1枚…多数

 

翌日のインカレリレーでも、学生たちの熱い熱い走りを期待したい。

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WE優勝 勝山のルート図

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WE準優勝 村田のルート図

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WE第3位 山岸のルート図

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ME優勝 上島のルート図

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ME準優勝 稲森のルート図

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ME第3位 伊藤のルート図

 

▼2017年度インカレミドル・リレー
http://www.orienteering.com/~icmr2017/index.html

▼成績速報(Lap Center)
https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4451

▼IC2017 middle – YouTube
https://youtu.be/eN3aXXPDae4

  

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