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2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

#38_前日はヤブをかき分け2人リレー – 第40回東北大大会前日大会

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9月2日、宮城県仙台市青葉区の『台原森林公園』を舞台に「第40回東北大学オリエンテーリング大会前日大会」が開催され、MLクラスは「台原は俺たちの庭」(杉村俊輔 - 橋本正毅)、WLクラスは「ミエと魔法の花」(高橋摩帆 - 盛合美誉)が制した。

 

本大会のテレイン『台原森林公園』は、歩道が整備された森林公園であり、公園内ではランナーの姿も多くみられる。仙台市の中心部からも近く、東北大・宮城学院女子大の新歓行事で頻繁に使用されるテレインでもある(余談だが、筆者が12年前に初めてオリエンテーリングをしたテレインでもある)。これだけ見ると爽やかなテレイン…という印象が沸きそうだが、それは「オモテ」の話。ひとたび歩道をそれれば、小径が張り巡らされた、急峻な尾根沢と濃いヤブが待ちうける「ウラ」の顔を持つ。そのため、筆者が学生だった頃は、『台原森林公園』の森林部は「裏台原」と呼ばれており、高確率でどろどろのレースが展開された。今もこの呼び名は残っているのだろうか。

県外の参加者は「前日大会」「公園」というワードから、爽やかテレインというイメージを持って乗り込んできた者もいたようだが、本大会は特に序盤で森林部にがっつり入るコースとなっており、彼らは洗礼を浴びて帰ってくる格好となった。やはりプログラムのテレインプロフィールを読むことは大切である。

そんなわけで、初心者も上級者も楽しめる『台原森林公園』であるが、前回は5年前の第35回東北大大会の前日に使用されている。実行委員長の佐藤俊太郎によれば「経年修正を行いたいという思いと、第40回という節目の東北大大会なのでなんとしても前日大会を開きたいという思いがあり、この前日大会の開催に結びついた」ということであった。例年は70人程度の参加者数だというが、今年は130人近くが前日大会に参加した。

 

本大会は2人リレー競技が行われた。1走のスペクテーターズコントロールにて、ほぼ例外なく全員の足に激しく泥が付着しており、2走の面々はコースの過酷さをある程度察してしまった。

MLクラスは「台原は俺たちの庭」(杉村俊輔 - 橋本正毅)…東北大のOBチームが勝利した。チーム名で庭とは言っていたものの、レース後に話を聞いてみると「慣れ親しんだ庭とは思っていたが、走ってみるとメモリーが(いい意味で)使えない、気が抜けないナビゲーションを問う良いコースだった」と話していた。また、ヤブの発達したテレインであるが「ところどころの小径をうまく使わせてくれたり、コントロール間隔が長めだったこともあって、台原にしてはスピード出して走ることができるコースだった。途中に長い道走りがあったが、後続から視界にとらえられるので道走りも気を抜けなかった」とも話していた。

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MLクラス優勝「台原は俺たちの庭」

WLクラスは「ミエと魔法の花」(高橋摩帆 - 盛合美誉)…こちらは岩手大のOGチームが勝利した。前の週に岩県大会で1:15000縮尺のロング競技に参加した彼女らは、今回1:5000の地図で縮尺の落差に苦労したそうだ。「1:5000の地図だったので、目指す道の分岐などが想定よりも早く来てしまい、ナビゲーションがたらたらしてしまった」ということであった。また、ヤブの中の小径をたどるのも難しく感じたということであった。盛合美誉は女子選手の中では圧倒的なタイムをたたき出していたが「走った後体力が余っていたので、もっとスピードを出して走りたかった」とも話していた。インカレチャンプの経歴も持つ盛合だが、最近またオリエンテーリング大会の出場数が増えており、翌日の東北大大会では「M」21Aに出場して好タイムを修めている。今後の活躍にも期待したいところだ。 

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WLクラス優勝「ミエと魔法の花」

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Lクラスコース図の一例

▼第40回東北大学オリエンテーリング大会 前日大会
http://www.olc.org.tohoku.ac.jp/taikaiHP/40th.pre.comp/

▼成績速報(Lap Center)

https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4144

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