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#78_雨上がりの房総を駆け抜けろ! – 2018年度関東学連スプリントセレ 兼 関東パークOツアー

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6/24(日)、千葉県南房総市の『大房岬』にて「2018年度日本学生オリエンテーリング選手権大会スプリント競技部門関東地区代表選考会(関東学連スプリントセレ) 兼 関東パークOツアー第5戦」が開催された。雨上がりの公園で行われた激戦に勝ち抜いた男子26名、女子15名がインカレスプリント本戦へ進出した。

 

蘇った南房総の秘境テレイン

本大会のテレインとして選定された『大房岬』、実は10年前に第1回インカレスプリント施行大会が開かれたテレインである。当時は日本学連の加盟員数が最も低迷した時期であったが、その中でも「将来世界で戦える人材を作る」という関係各位の熱意をもって全日本スプリントとの共催という形で開催された。
それから10年、インカレの学生参加数は倍になり、スプリント競技部門は今年度で4回目の開催となる。
                    

セレテレイン選定に関する課題

学生オリエンテーリングが急速な盛り上がりを見せ、セレクションの参加者は年々増加している。このことは喜ばしい半面、運営側の負担も同様に増えているのが現実だ。
現状の関東スプリントセレ開催地には「夏のハイシーズンに、300人規模のキャパシティを持ち、公園管理者の理解を得られている、会場とテレイン」が求められている。近年はそこに「スプリントテレインとしての競技性」がニーズとして加わり、開催地選定のハードルは非常に高いものとなっている。
今回の開催地選定は、関東学連OBOG1年目から「京葉OLクラブ」にテレイン使用の打診があったことが始まりだ。しかし、都内からアクセスが良い『稲毛海浜公園』『幕張海浜公園』などの京葉テレインは管理者の理解を得られず使用不可であった。そんな中で京葉から提案されたのが今回の都心から離れた『大房岬』である。そして、結果として今回は公園側が非常に前向きに迎えてくださり、幾度もの渉外訪問の末に大会開催へたどり着くことができた。
今後も継続的にスプリントセレを開催するために、これまでの経験を踏まえた上で議論を重ね、やり方を模索していくべき時期に差し掛かっている。
 

ぬかるんだ地面と、練られたコースに苦戦

セレクション当日の朝、現地は大雨だった。スタート開始時刻には雨は止んだが、スプリントテレインにしては急峻な地形と雨で緩んだ地面に苦戦したとの声が参加者から多く聞こえた。大房岬は地形の情報が多く、スプリントのコースを組むのにセッターも苦慮したことだろう、ということで今回のコースセッターである平山遼太氏に今回のコース総評を伺った。

<コースセッター 平山氏総評>

どうしても登りでストレスが溜まるため、コントロール位置は平均的には易しく設定し、手続きの素早さ、ルート選択の強さ、プランの質の高さを走りながら維持する力を問うことにした。大きな差がつくレッグは少ないが、ミクロなルート選択が要求されるレッグは多く、細かい部分を丁寧にこなせるかどうかで少しずつ差が開いたと思われる。レッグのバリエーションを想定しやすいテレインであるため、事前の対策もレースの出来に大きく影響を与えただろう。

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Ms 16→17 / Ws 12→13

 

セレクラス最大のルート選択を迫るレッグ。細かいルートは無数にあるが、大きなルートとして4つが考えられる。
レッグ線方向に脱出して最短距離をとる黄ルートは、最初の下りの段差エリアとその後の藪切りでの減速が懸念される。
青ルートは道を使える点ではシンプルだが、やはり最後の登りが苦しい。17において出戻りにならないものの、登り途中なので恩恵は少ない。
青から分岐する緑ルートは道で距離を稼げる。階段を使わず思い切り下ることと、立入禁止区域を上手に処理することが必要となる。
左に回る赤ルートは登りを最小に抑えられ、距離も緑や青と比較してやや短く済む。

Ms2クラスを制した伊藤選手は、赤に近い左回りのルートを選択して全選手中最速である1:41をマークした。Wsクラスでは、同様のルートをとった立花選手が、黄→赤ルートを選択した区間3位の世良選手に20秒の差をつけてトップラップを獲得している。

 

また、今回は各ヒートで3位までに入った選手にインカレ本戦への意気込みを伺った。

 

○Ms1

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M21A1/Ms1入賞者

 

1位:柴沼 健(早稲田4)
「今日の優勝は他選手のミスのおかげでしたが、本番でも勝ちを拾えるよう準備したいと思います」

2位:上島 浩平(慶應義塾4)
「どんな状況になっても自分をコントロール出来るようになってきたと感じるレースでした。インカレでは3冠を目指します!」

3位:佐藤 遼平(東京4)
「今日は丁寧なレースを心がけましたが、本番でも丁寧なレースで優勝を狙いたいと思います」

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Ms1-3位 佐藤のルート図

 

○Ms2

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M21A2/Ms2入賞者

 

1位:伊藤 樹(横浜国立4)
「最上級生として、どっしりと構えて、しっかり優勝していきたいです」

2位:桃井 陽佑(慶應義塾3)
「高みを目指してがんばります」

3位:浅井 寛之(東京3)
「今日はコースが簡単だったので通過できました、嬉しかったです。去年は本戦に出場してないので楽しんできたいと思います」

 

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Ms2-1位 伊藤のルート図

 

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Ms2-3位 浅井のルート図

 

○Ws

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W21A/Ws入賞者

1位:世良 史佳(立教3)
「今日はプランを立ててから動けたのが良かったかなと思います。本戦でも焦らずに考えてから動こうと思います」

2位:稲垣 秀奈美(千葉4)
「今日は集中してテンポよく進めることができました。インカレでもいい結果が残せるよう、頑張っていきたいです。」

3位:立花 和祈(実践4)
「最後のインカレとなるので、悔いのないように全力で走っていきたいと思います」

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Ws-1位 世良のルート図

 

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Ws-3位 立花のルート図

 

okinfo.hatenablog.com

 
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▼2018年度日本学生オリエンテーリング選手権大会スプリント競技部門関東地区代表選考会 - 関東学生オリエンテーリング連盟
http://www.orienteering.com/~uofj/kanto/?blogid=7&catid=28&itemid=1324

▼成績速報(Lap Center)

https://mulka2.com/lapcenter/index.jsp?event=4664

 

 [WriterMt. T]