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2017年1月よりスタートしたオリエンテーリング関連のニュースサイトです。関東を拠点に、手の届く範囲でですが大会記事などをお届けしていきたいと思います。

Local#3_環状2号を攻略せよ! - 横浜OLクラブ2ばんどうろ練習会

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9月5日~30日の期間、横浜市保土ヶ谷区上星川の『2ばんどうろ』で横浜OLクラブの公開練習会が開催され、期間中延べ60名の参加者が市街地オリエンテーリングを楽しんだ。開催した立場から、本練習会の紹介を行いたい。

 

 

自宅周りのOMAPを作成してみよう

『2ばんどうろ』は、テレイン中央に環状2号が横切る市街地テレインで、以前こちらの記事で紹介した『トキワシティ』の近接テレインにあたる。元はといえば、筆者が『トキワシティ』のテレイン内から引っ越したのだが、「また自宅の周りにテレインを作って練習とかしたい…」と思って地図を作ったのがこの『2ばんどうろ』である。余談だが、テレイン名に何か感じるものがあった人は、筆者と友達になれるかもしれない。

コロナ禍の自粛期間にこっそり始めた地図調査だったが、ほどよい立体交差を見つけるなどしてわくわくしながらの調査となった。しかし、数日後に環状2号にさしかかったところで調査は難航する。環状2号の下部は公園になっており、ここは近年新たに定められたスプリントの地図図式ISSprOM2019の重層構造記号の出番…と思われたが、ISSprOM2019をもってしても、既定の記号だけではこのエリアを表記しきることはできなかった(重層構造記号については、8月に行われた上尾OLC大会の記事を参照)。早くも「やばいテレインに手を出してしまった…」という後悔の念がよぎったのは言うまでもない。そこそこの試行錯誤の末に【重層構造下層の壁・柵】という特殊記号を作成して、怪しいながらもなんとか表記に成功した。

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本練習会で作成した特殊記号

ところで、練習会のとある参加者から「重層構造部分のハッチングが見にくい。やけに線幅が細い気がする…」と指摘をいただいたのだが、どうやら調べてみるとハッチングの隙間の白部の幅を、誤って本来の2倍の太さにしてしまっていたようである。ハッチングの幅は、ブラウン:ホワイトが1:1となっているのが正しい記載なのだが、練習会の地図(上の特殊記号の例でも)はブラウン:ホワイトを1:2としており、ブラウンの部分が細く見えるような誤記をしてしまっていた。見にくいわけである。参加者のみなさん、すみませんでした。
また、「シニア年代の参加者としては、ブラウンが濃いほうが見やすいかもしれない」との声もいただいた。ブラウンはISSprOM2019では濃度30%か50%の指定があり今回の練習会では30%で作成していたのだが、もしかしたら50%の方がわかりやすかったかもしれない。もっとも、見にくかったのは上記のハッチング隙間幅のミスも大きかったのだが…。

 

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コース解説より一部抜粋

 

通常の練習会形式と自由参加形式の両立

本練習会はコロナ禍中での開催となり、感染拡大防止に配慮するのは必須事項である。当初は、人が密集しないように「期間中自由に走っていいよ。地図は自分で印刷してね」の自由参加形式のみの開催を予定していたが、どうしても「走った後に誰かとオリエンテーリングの感想をシェアできない」のは寂しい点であり、オリエンテーリングの魅力を下げてしまう部分でもあった。そこで、担当者が立ち会う通常の練習会形式を複数回開催して参加者数が分散するように配慮し、先の自由参加形式と両立しての開催を試みた。実際のところ、通常形式を3回も行うのは「担当者としては疲れた」という点はあるのだが、毎回参加者が楽しんでくれたのを見られたのはとても楽しいものであった。

幸い、本練習会に参加者や運営者が新型コロナウイルスに感染したという報告もなく、練習会としては無事に終了したといえよう。参加者のみなさまのご協力に感謝したい。

一方で、自由参加形式としては、あらゆる時間に出走されうることとなるが、時間帯によっては人が混み合う・交通量が多いエリアもあり、安全面への配慮という観点では、推奨する曜日や時間帯を当方から指定する、あるいは人が混みあいそうなエリアは外すといった配慮をもっと強化するべきであったとも感じた。

 

本練習会では、ナビゲーションアプリ「NaviTabi」に対応させていただいた。NaviTabiを使用することでコントロール通過証明を行うことができたり、記録やルートを残すことができる。それだけでもオリエンテーリングの楽しみの幅が広がるものであるが、今回、運営者としての楽しみも感じることができた。それは「自宅から参加者を応援することができた」という点である。
参加者がNaviTabiを使用すると、NaviTabiのコース設定者には「○○さんがコース△△をスタートしました」というニュアンスの通知が届く(実際は英語だったはず)。ある日、筆者は在宅勤務をしていたのだが、ちょうど誰かがコースを走り始めた通知が届いた。実は、今回の練習会のコースの1つは筆者の自宅前を通るコース設定としており(狙ったわけではなく、偶然の産物である)、自宅の窓から外を見ると参加者が走っている姿を見ることができる。さすがに声を出して応援することは(参加者も驚くので)行わなかったが、心の中で応援すると同時に、練習会担当として会場に赴かずとも参加者がオリエンテーリングを楽しむ姿を見られたのは予想外の喜びであった。


「横浜OLクラブが沈黙を破る! 環状2号を攻略せよ!」というキャッチコピーで開催された本練習会だが、練習会開催の新たな形ともなりうると感じた。反省点も多々あるが、個人的にも、クラブとしても、魅力的なイベントの開催を継続していきたいものである。

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練習会コースの1つ(重層構造のハッチングは修正済です)


※以下にコース解説があります。興味のある方はご覧ください。
 横浜OLクラブ2020年9月練習会コース解説

 

 [Writer : yi+]